各時期における心構えやどんなふうに過ごしていたかについては10記事にまとめさせていただきましたが、この記事では今まで利用してきて広場恐怖症やパニック発作で中々外出が厳しい時にとても助かるサービス等を私の体験をまじえて5つの紹介させていただきます。メリットとデメリットも掲載いたしますので、信じすぎたり依存しすぎたりしないように良いバランスで利用することは忘れないようにして下さい。
オンライン・サポートグループ
オンラインサポートグループは、様々な障害に悩む人々がインターネットを通じて集まり、共感や情報を共有するコミュニティで、同じ経験を持つ人々と繋がることができるため、孤独感が和らぎ、共感を得ることができます。私も、いくつかこうしたグループに参加させていただき、ボイスチャットを通じて少しずつ話をする事でトラウマの一つである対人恐怖症を克服していきました。症状とコミュニティで検索すればある程度探せると思いますし、最近ではSNSでそうした活動をされているところもあります。また、趣味のゲームを通じ、ストリーマーの方とチャットでやりとりしたり、一緒にゲームをすること等も非常に効果がありました。
同じ悩みを持つ人々と簡単につながることができ、孤独感の軽減や共感を得られる。
自分のペースで参加でき、匿名性が保たれるため、参加へのハードルが低い。
多くの情報やアドバイスを得ることができ、自己管理能力が向上する可能性がある。
オンライン上のコミュニケーションに限られる為、実際の行動への影響が薄い場合がある。
グループ内での情報の質にばらつきがあり、誤った情報が共有されるリスクもある。
直接的な対面サポートがないため、具体的な行動改善には限界がある。
オンラインカウンセリングやセラピー
遠隔カウンセリングは、インターネットを利用して自宅で専門的なサポートを受けられるサービスで、距離を問わず利用出来ることも大きなメリットです。私は月1回の定期診療や何か相談したいことがある時に、主治医の先生のオンラインでお話させていただいています。完全予約制で待ち時間もなく、自室でゆっくりと話せるため、苦手とする外出の必要がなく、リラックスした環境で診療を受けられます。またお薬や支払いに関しても引き落としや送付といった選択肢がとれるために、そちらも含めてかなり助かっています。
自宅から専門的なサポートが受けられるため、外出の負担がない。
インターネットを通じ、対応している病院で受けられる為、地域に依存しない。
通常のカウンセリングと同じ効果を得られることが多く、進捗が測定しやすい。
技術的な問題(インターネット接続の不具合など)が診療に影響を与える可能性がある。
対面のセラピーと比べ、身体的なサイン(表情や姿勢など)が読み取りにくいことがある。webカメラ等が必要。環境によっては、プライバシーや集中力が確保できない場合がある。
自宅訪問サービス
自宅訪問サービスでは、医療関係や各種販売店の方が自宅に訪問し、対面での治療や販売、サポートをしてくれます。私が実際に利用したのは皮膚科、歯科ですが、自宅で安心して治療を受けることが出来ました。他にも身体検査やメガネの新調等も利用出来ますので、外出が困難な方にとっては本当にありがたいサービスです。
外出が難しい方でも、直接的な医療や購買サービスを受けることができる。
対面での交流により信頼関係を築きやすい。
訪問者が具体的な行動指導やサポートを行うので効果が明確である。
サービスの提供地域が限られていることがあり、利用できない場合がある。
訪問者が定期的に来ることに対して不安を感じる人もいる。
一般的にコストが高くなる傾向がある。
段階的な外出訓練(エクスポージャー療法)
エクスポージャー療法は、恐怖の対象となる場所や状況に少しずつ慣れていく訓練です。私の場合、最初は庭へ出ることから始め、家の近くを散歩へと移行、徐々に活動する場所を広げ、最終的には買い物等にも挑戦しました。この段階的なアプローチにより、外出への恐怖が少しずつ和らぎ、頓服薬は必要になりますが、以前よりも不安は少なく、症状もあまり出ずに外出できるようになりました。ただし、負担や反動も大きいので絶対に無理はしないようにして下さいね。
恐怖に少しずつ慣れていくことで、外出への不安や抵抗感を減らすことができる。
一つの成功体験が心に良い影響を与え、他の不安や恐怖にも対処しやすくなる。
自分のペースやプランを設定出来るためにアプローチしやすい。
初期段階では強い不安や恐怖を感じることがあり、進行が難しくなることがある。
成果が出るまでに時間がかかることが多く、忍耐力が求められる。
誤った進め方をすると逆に恐怖感が強化されるリスクがある。
外出リハビリのための同行者
外出時に信頼できる同行者がいることで不安がかなり軽減されます。特に、初めての場所に行く際には、家族や友人、サポートスタッフの方に同行してもらうことで、安心感が得られ、発作が起こるリスクも軽減されました。私の場合は両親に色々なところへついてきてもらって少しずつなれていきました。自分の病状を理解してくれている同行者がいることで、何かあった時の不安も和らぎ、外出リハビリでの成功体験を積み重ねることができ、今では一人で簡単な買い物もできるようになりました。
信頼できる同行者がいることで、外出時の不安が軽減される。
万が一の発作時にも安心感があり、外出の成功体験を積み重ねやすい。
サポートスタッフを利用することで、専門的なアドバイスを受けながら外出ができる。
サポートが必要なことに対して、依存心が生まれる可能性がある。
サポートが受けられない状況に対して不安が増すことがある。
専門スタッフの利用にはコストがかかる場合がある。
最後に
お住まいの地域で上記のサポート等を探す際には、対応している病院や団体をしっかりと調べてみて下さい。各サービスには、それぞれの専門性や特徴がありますので、事前に情報を集めることが大切ですし、より安心して利用できます。また、人と接する以上、相性というものが必ずありますので、サポートを受ける際には、ご自身のペースや感覚を優先して、くれぐれも無理をせず、ゆっくり取り組んで下さいね。少しずつでも、安心して過ごせる日常を取り戻していけることを心より願っています。